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鶴田浩之の個人ブログ | since 2005

本が、完成した。


本が、完成した。これほど言葉というものに対峙した一週間は、初めてだったかもしれない。僕のなかで精一杯、やれるだけのことはやりました。束見本ができて手にもったとき、すごく重みを感じた。それぞれの発信者のメッセージが、ぎゅっと詰まっている。1ページずつめくるごとに、読む人それぞれにとって異なった感じ方があると思う。あとは、読んでもらった人がどう思うか、それはわからないけど、僕はもう、やれるだけのことはやりました。電車の中でゲラを確認して、いつも涙が止まらなくなった。

言葉というものは、誰かにとってはこの現実を前に、ただただ虚しいだけの存在かもしれない。「大丈夫」や「がんばれ」というのは結局のところ無事なひとたちの勝手な妄言でしかなくて、遠くでは、だれかが傷ついているのかもしれない。いろんな可能性を、ずっと考えてた。あの日あのとき、誰もが頭に浮かべた存在は、何だったのか? それを、深く、深く、ずっと追求した。何時間も、それを何日も、たった二行の言葉のために、悩んだ。言葉が、頭の中に溢れかえった。ときどき難しく考えすぎた。何十回もぐるぐるとまわったあとに、いちばん最初に戻ったりもした。そのうちまったく新しいところから出てきて・・・そんな日々だった。

最後の2日間は、一日の変わり目がどこにあるかよく分からない生活だった。講談社に泊まりこみで16時間、そのあと印刷所で8時間、夜通し作業をした。「ここまで来たからには、最後まで妥協せずやり遂げるしかないね」 編集スタッフみんなで、責任を感じる。妥協は、できない。本の帯に、当初入る予定だった「NHKや読売新聞で紹介」といった広告文(上の写真の黄色いところ)は、責了の日に、急遽ぜんぶ取ってもらった。出版社的には、売上が落ちる英断。この本は、帯も含めて、10年後も20年後も残っててほしい。外した広告の代わりに、僕の言葉をひとつ入れてます。本を手にとって、ぜひ見てください。

3月下旬の企画から4月12日の校了まで、わずか2週間で原稿執筆から構成、デザイン、全部やった。Webサイトが誕生して、約1ヶ月後の本の完成でした。講談社の編集者の方をはじめ、世界各地の翻訳ボランティアの方、デザイナーさん、手伝ってくれた友達、みんなのおかげです。本を編集する中で、Special Thanks欄が少しずつ増えていったことが、うれしかった。そう、このプロジェクトは現在進行中で、いまもいろんな協力者が増え続けている。みんなが、自分にできることを探し続けた一ヶ月でした。「本当に大切なものはなんだろう?」みんなが、自問自答した。答えが出せずに悔しいという人も、周りにいっぱいいた。でも、いまは、たぶんきっと答えは出なくてもいい。ゆっくりでいい。本をつくって、気持ちを整理することが、とても時間がかかることなんだ、と。僕も、まだ答えは出てこないた。

本だからこそ、伝えることのできる「温度」というものがあったと、そう感じる。

とにかく、できあがった。寝れる。おやすみなさい。

『PRAY FOR JAPAN – 3.11 世界中が祈りはじめた日』2011.4.25


8 Comments

  1. ふみ @pumi0108

    2011年4月14日 at 8:55 AM

    お疲れ様です。
    そして、ありがとうございます(*^^*)

    言葉のチカラは、きっと、あります。
    私も、大丈夫と言っても誰1人救えなければ意味がないじゃないかという葛藤がありました。
    それでもあの日から、prayforjapanを見て救われた人が数えきれないほど居る。
    この事が、間違いなく言葉のチカラを証明してると思います。

    先日NHKで取り上げられていた被災地の精神科医の方は
    津波のトラウマに悩まされる患者さんに対してアドバイスをする際
    ピンクのペンで書いて渡しているとおっしゃってました。
    黒かピンクか、それだけでも与える印象が全然違うのかと驚きました。
    きっと、もっちさんが徹夜続きで作業して作り上げた本には
    そんな風に、人知れず気を配った点が沢山あるんやと思います。
    それを大事に受け止めさせて頂きます。

    ほんまにお疲れ様でした、ありがとう♪

  2. 初めまして、今回の本で、写真を提供させて頂きました、Hiroshi Sakaue です。お疲れ様です。写真を提供させて頂くきっかけとなりました、インスタグラムで、このブログ記事の写真とリンクを使用したいのですが、許可を頂けますでしょうか?お手数ですが、お返事頂けますでしょうか、宜しくお願い致します。

  3. もっち

    2011年4月15日 at 1:49 AM

    >ふみさん
    ピンクのペンのエピソード、心に刻みます。
    ありがとうございます。

    >Hiroshi Sakaueさん
    ご協力、ありがとうございました。
    ブログ記事の紹介などは、自由にどうぞ。嬉しいです。

  4. ありがとうございます!

  5. matsuo hatanaka

    2011年4月15日 at 8:23 AM

    こんにちは つぶやきを掲載していただきました「さくら前線」のhatanakaです。
    スタッフの皆様、編集作業お疲れ様でした。
    投稿された皆さんののつぶやきが沢山のblogとかtwitterなどに勝手に使用されてとても嬉しく思います。
    ナゼかって、「さくら前線」も日本中世界中に広がりを見せ、4/25に皆さんの思いを乗せて被災地に届けられるからです。
    データは消えていきます。紙に残していただいて、ありがとうございました。本は小学校に寄付します。

  6. 初めまして。
    今日ラジオを聞いて、初めてこのサイトやPrayForJapanのことを知りました。
    同じ大学生なのにすごいなと思い胸が熱くなりました。
    本是非買いたいと思います。

    これからちょくちょくみていきたいと思います。(^^)

  7. つぶやきみてますよ(~▽~@)♪♪♪
    本の発売が楽しみです☆

    絶対買う(//∇//)

  8. 本、読みました。
    1ページに1枚、ティッシュが必要でした。
    素敵な本を、本当~にありがとう!!

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