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鶴田浩之の個人ブログ | since 2005

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『PRAY FOR JAPAN – 3.11 世界中が祈りはじめた日』本になります。

東日本大震災の夜に僕が立ち上げた prayforjapan.jp というWebサイトは、数日で世界中に広まりました。これまでに600万人以上のアクセスがあり、Twitterでは30万回以上ツイートされ、Facebookでは国内6位の規模までコミュニティが大きくなりました。

紙面では読売新聞、日経新聞に掲載され、テレビ番組は、NHK「あさイチ」、フジテレビ「とくだね」、日本テレビ「スッキリ」、テレビ東京「池上彰、震災特番生放送」などで紹介。ラジオはJ-WAVE「HELLO WORLD」にも出演しました。Webメディアはエキサイトニュース、オリコン、Yahoo!ニュース、ライブドアニュース、mixiニュースなどなど。かなり多くのメディアが取り上げてくれています。

ニュース記事に関しては、日経の記事が、いちばん丁寧に取材してまとめてくれています。
震災支援、3.11以降に生まれた3つのプロジェクト(日経電子版)

あの日あの部屋で始まった小さな試みが、色んな人を巻き込むとても大きなプロジェクトに膨らんでいきました。

『PRAY FOR JAPAN – 3.11 世界中が祈りはじめた日』

そして今回、prayforjapan.jp が講談社より書籍化することになりました。
2011年4月25日発売です。すでにアマゾンで予約が始まっています。
予約2日目で、現在アマゾンのベストセラー10位になりました。

サイト開設直後から、現在までに15件近い出版の問い合わせをもらっていたので、いずれ夏くらいにでも書籍化するだろうなとは思っていたのですが、思ったより早い時期で出すことが決まりました。たぶん中には「時期尚早」といった批判もあるかな、と予想していますが、少しでも早く、たくさんの人に読んでもらえたらと思います。ほかの出版社でも似たような企画の本が進行中ということで、やはりWebで世界規模で話題になったprayforjapan.jpとして、公式に本も出すべきだと思ったので、早い段階で出すことになりました。本では、サイトでは紹介しきれなかった言葉や画像がたくさん収録されています。

もともと書籍化はあまり興味は無かったのだけど(お祭りみたいには、したくなかった。このサイトは、偶然たまたま立ち上がった企画に過ぎないのです。)編集者の方の熱意に負けたというか(SFCのOBでした)問い合わせいただいた10社の中でも、一番最初に講談社から問い合わせを頂いたので、出版に向けて話を進めることにしました。

「10年後も20年後も、親から子供に、先生から生徒に語り継がれるような、そういう本を作りたい」このコンセプトが、本作りに関わる全員で一致しました。印税は全額寄付するのはもちろんのことですが、寄付金の使徒というのは、おそらく誰もが気にするところだと思うので、責任もってWebサイトで報告する体制を整えていきたいと思います。ほかにも、被災地を長期的に支援できないかと、関わる人たちで話し合いをしています。

これから復興に向けて大事になっていくことは、もちろん経済とか物理的な修復も必要だろうけど、一番大切なのは被災された方のケアや、心の部分だと思います。言葉や、映像や、音楽や、写真で、何か出来ることがあるはず。僕は今回現地に行くことは出来なかったけど、東京から、自分が出来ることをやっていきたいです。

本の監修者として、デザイン、構成、原稿執筆、広報など最近いろいろやっています。本作りは初めての経験ですが、とても刺激的です。まさか自分が20歳のときに本を監修するなんて、思いもしなかったけど。

いま、本当に厳しいスケジュールの中、編集者やデザイナーさんが、徹夜続きで作業にあたってくれています。日本語に加えて英語でも収録されるのですが、翻訳は主に世界各地のボランティアによるもので、彼らの協力無しには出来ませんでした。関わってくれたみんなに感謝しています。

「prayforjapan.jp」を立ち上げました【東北太平洋沖地震】

”暗すぎて今までに見たことないくらい星が綺麗だよ。仙台のみんな、上を向くんだ。” – 現地での会話

そのときぼくは、栃木の那須にある牧場にいました。自動車免許合宿に参加している 12 人のメンバーと一緒に 1 時間ほどドライブして、ちょうど駐車場に車が止まった瞬間です。震度 6 弱だったとあとで知りますが、僕の人生のなかで一番大きな地震でした。車が何度もバウンドして(最初は、運転する教官が冗談で車をエンストさせたのかと思いました)標高 800 メートルの高台から地球全体がガタガタと揺れているのが感じられました。

何か、とてもいやな予感がしました。空は、気持ち悪いほどに晴れていたのです。

牧場の馬は不安そうに暴れていました。夜の温泉などの計画は全て中止。帰路、国道などの信号はすべて止まり(免許取得中の身として、大変貴重な体験です)コンビニもすべて電気が落ち、ブロック塀などが崩れたり、道路に亀裂が走っていました。帰宅後、報道写真やテレビのキャプチャー画像がTwitterに上がっているのを見て、言葉を失いました。

栃木の那須自動車学校はその後、翌日の夜明けまで停電と断水が続きました。僕らが宿泊している部屋も電気がつかず真っ暗なので、生徒の多くが1階のロビーで夜を明かしました。自家発電がひとつだけあり、最低限の照明とストーブは確保できましたが、それでも毛布にくるまってガタガタと震えながら過ごす、長い長い夜でした。高校生もいたので、数人で固まって夜を明かしました。深夜ときおり不気味な緊急地震速報の音がロビーに鳴り響き、緊張感が走りました。

友人のジャグリング世界チャンピオン @jugglersenjyu は、合宿所のロビー等でジャグリングを披露。みんな疲れて張り詰めていた空気が、少しだけやわらぎました。また僕と @oppo240 は、停電と断水で何も情報が入ってこない中、なんとかイーモバイルでインターネットに接続してロビーでmacbookを開きNHKの映像を流し続けました。(教官や、事務員の方がNHKの画面に釘付けでした)

prayforjapan.jp

なんとか短い仮眠をとりながら迎えた翌朝。#prayforjapan というハッシュタグで、海外の人たちが日本に多くのメッセージを寄せていることを知りました。地震発生直後から現在まで、1分間に100件近いメッセージが途切れることなく断続的に寄せられていて、それは英語、フランス語、スペイン語、韓国語、アラビア語など様々。またInstagramでは、ハッシュタグ付きで「日本のために祈る」画像が数多く寄せられていました。

ニュースにはなっていたものの、まとめサイトがまだ立ち上がっていなかったので、TwitterやInstagramに投稿された「#prayforjapan」をまとめるWebサイトを立ち上げました。夜明けとともに、朝の6時頃でしょうか。ドメインを取ってアクティブにしました。避難所で毛布にくるまりながら、繋がりにくい回線の中で、なんとか作ることが出来ました。

メッセージは、現在も途切れること無く世界中から寄せられ続けています。ぜひ今すぐサイトにアクセスして、ご覧ください。
その後、夕方には「Twitterで話題になってみんなが心に残ったつぶやき」をまとめて表示させるサイトもつくりました。

こちらの方が、わずか12時間で5万回以上RTされて(佐々木俊尚さんや蜷川実花さんなどもRTしてくれました)今までになくアクセスが集中しました。僕自身、これほど短期間にアクセスを集めたのは、生まれてはじめての経験です。サーバーを増強しないと、転送量制限がそろそろやばいと焦っている中、契約しているサーバーの管理会社であるpaperboy&co社の担当者の方からメールが届きます。

この度ご連絡を差し上げましたのは、http://prayforjapan.jp/ に多量のアクセスが発生したために、サーバーの負荷が高くなっているためです。しかしながら、サーバーのコンテンツを拝見し、弊社といたしましても極力閲覧ができるように、ご協力させていただければと思い、別のサーバーに同じコンテンツを置かせていただき、サーバー分散を行わせていただいております。別サーバーには自動的に分散が行われるよう処理しておりますので、そちら側で特別何かを行っていただく必要はございませんが、何か問題など発生した場合はご連絡いただけますでしょうか。また、しばらくして落ち着きましたら通常の対応に戻させていただきますが、その際にもご連絡差しあげますので、何卒よろしくお願いいたします。

このレンタルサーバーの担当の方の対応に、心から感謝申し上げます。驚き、感動しました。毎晩遅い時間まで、日本のインフラを支えてくれる人たちに、改めて感謝の気持ちを申し上げたいです。今回に限らず、Twitterを中心にかなり多くの方の「助け合い」が可視化されたと思います。日本が一つになった、という声を聞きます。いや、日本だけでなく、世界も応援している。

現在、Facebookのprayforjapan.jpページには国内外から5万人を超える賛同者が集まり、有志による「多言語翻訳プロジェクト」が始まっています。僕が仮眠している数時間の間に、4つの言語で翻訳が終わっていました。

1時間に何百件も寄せられる、「ありがとう」「作ってくれてありがとう」「感動した」「泣いた」「日本人でよかった」というTwitterのMentionを見ながら、昨夜はぼくは震えが止まりませんでした。その数は、今日の午後にでも4万件に達する勢いです。

追記 3月18日

多くの失われた尊い命への追悼の祈りと、今もなお避難所生活などを余儀なくされている方々へ、心からお見舞い申し上げます。

あれから1週間が経ちました。prayforjapan.jp は想像以上の広がりを見せ、世界中に広がっております。
国内ではNHKを始めとしたテレビ局や全国紙でも紹介されていて、海外のメディアなどにも取り上げられ始めました。
現在、世界11ヶ国語に翻訳されています。(翻訳スタッフはFacebookを中心にボランティアで20名ほど集まっております)
サイトのアクセスは1週間で500万を超え、Twitterでのつぶやきは25万件を超えました。
Facebookのファンページには4万人を超える賛同者が集まり、わずか5日間で日本で6位のランキングになりました。

僕のFacebookやTwitterのリプライ、メールボックスにはこの1週間、いろんな国の言葉で1500件を超える感謝のメールが届いています。
今もなお「勇気づけられた」「励まされた」「涙が止まらない」「日本人でよかった」といったメールが、何百件も届いています。

これほど多くの言葉に触れたことは、一度もありません。僕も震えが止まりません。

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