もっちブログ

鶴田浩之の個人ブログ | since 2005

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沖縄、波照間島に行ってきた(3日目・最終日)

日本最南端の島、波照間島滞在3日目、最終日。
あの民宿たましろでの伝説の一夜を明かした、翌朝。

嵐はまだつづいていた。
雨こそ小降りになっているものの、風はまだ強い。

たましろで宿泊者たちで朝食(超大盛り)をとりながら、
テレビで今日の天気予報をチェックする。

「波の高さ2.5メートルやと船は出らんさ〜」と石垣のおっちゃん。

天気予報では2メートルとの予報。うん、グレーゾーン。

船はだいたい9時と、13時、16時の、1日3便。約1時間かかる。
自分は13時の便で、石垣島に戻る予定でいた。

果たして今日の船は無事に出てくれるのだろうか?
石垣で宿は押さえてあったけど、まあでも内心、
波照間島でもう一泊してもいいかな、っては思ってた。

「ホントは5メートルでも行けるんだけどねー、安全を考えると2.5メートルなんやろ」
「ウォーターマウンテンに1時間のってると思えば大丈夫さ」
「昔は波照間にも飛行機あったのが楽しかったんだけどな〜」
「朝は出るかもしれんけど、午後は欠航が多いんよね、こういうとき」
「船長が船酔いして、だいたい午後は休みになるさー」

船長が船酔い(笑)
そんな感じで旅人同士で情報交換しあう。

とりあえず午前9時の便は出るみたいだから、
午後に帰る予定だった人も予定を切り上げて、宿をあとにする。

俺は、まぁ急いでないし、午後の便を待とう。そんな感じ。

10時にたましろをあとにして(なんかものすごく寂しかったです)

美波さんの宿に戻って、出発の時間まで
庭のテラス席を使わせてもらうことに。
美しい緑の中、こんな感じでマック開いて作業してた。

俺、ここに住みたい。(笑)

しばらくすると、美波の女の子がやってきた。

「おたまじゃくしと遊んでたの」

そう話しかけられて、ついていったら、
あ、ほんとだ、おたまじゃくし。

おたまじゃくなんて何年ぶりに見るだろう。
一瞬でノスタルジックに包まれて、懐かしさが湧き上がってきた。

「グッピーもいるよ!」

「カエルもいたんだけどね、この前の雨でね、ぴょーーんって逃げちゃった」

「名前なんていうの?」

「きよみ」

「何歳?」

「7歳だよ!」

学校休みの日で退屈してたのか、 どんどん話してくれる。
話し相手がいることは、一人旅の俺にとってはすごく嬉しい。

「みてこれ、ヒトデ」

「きよみが浜で拾ったんだよ」

「最初青かったけど、白くなっちゃった」

「こっちきて」って言うから、ついていく。

いつの間にか、きよみちゃんは島の案内役。

「これ何?」

「パッションフルーツだよ」

「おいしいの?」

「うーん・・・たぶん甘くはないかな」

「これ全部きよみが取ってきたんだ!」

「綺麗なサンゴだねー」

葉笛をしたり、やぎを見に行ったり、さとうきび畑のそばをさんぽしたり、
南十字星について話したり。

あっという間に2時間、3時間と、時間が過ぎていった。

なんか、改めて考えてみると、この時間がいちばん楽しかったかも。

こどもに戻った気分。

7歳の見てる世界。

曇りのない世界。

南の島に住むひとたち。

本当に幸せってこんなことかな。

13時の便は欠航。雨は降ったり止んだり。 でも16時の便は、無事に出ることになった。
別れの時間が近づいた。

きよみちゃんに「にぃにぃ帰らなくちゃ」って言うと、

「明日まで泊まって、明日まで泊まって」 って、腕にしがみついてくる・・・

・・・・そんな、ドキドキするじゃないですか ////

「明日まで泊まって、明日まで泊まって!」

「でも今日は民宿いっぱいなんでしょ?にーにー帰らなきゃー」

「また来年くるよー」

「明日まで泊まってーーー!」

「明日、また来て!」 「あしたまでとまってーーーーー!!!」

そんな感じで30分くらい駄々こねられて。 かわいいなー。
子どもにこんな好かれたのってひさしぶり。

「だって今日、もう美波の宿の部屋はあいてないんでしょ?」

「じゃあうちに泊まって!」

将来この子は、大物になりますな、笑。
さすがに押しに押されて、もう一泊しようかと思ったけど、
いろいろ考えて、やっぱり帰ろう、と決意。

旅っていうのはね、
「また来たい」って思える要素があるって大事だと思うんだ。

だから、あえて写真をとらなかったり、雨でもいいやって思えるのは、
「また来るからね」っていうことに繋がるんだ。

だから、ちょっと寂しかったけど、今日は帰ろう。
またくるからね。

美波のお母さんと、きよみちゃんに港まで送ってもらいました。
ばいばい!ありがとう!

波照間島にきて、美波とたましろに泊まって本当によかった。
東京の看護師の女の子二人や、ビーチで出会った中村さん、
美波のみなさん、たましろのおじさん、たましろで出会った皆さん、
そしてきよみちゃんと出会えて、すごく幸せな3日間でした。

また絶対いく、波照間島!

ちなみに夕方の船は出たものの、
めっちゃ揺れて気持ち悪くて死にそうでした。

おわり!

最後に、お気に入りの1枚。

石垣島のオススメツアー

沖縄、波照間島に行ってきた(1日目)
沖縄、波照間島に行ってきた(2日目)
・沖縄、波照間島に行ってきた(3日目・最終日)

沖縄、波照間島に行ってきた(2日目)

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波照間島2日目は、雨が降ったり強い日差しになったりの繰り返し。
だけど傘は持ち歩かないで、ちょっとくらい雨が降って濡れてもいいや、
っていうくらいの気持ちでいられるのが島のスタイル。

島のあちこちには、さとうきび畑はもちろん、たくさんの綺麗な花が咲いていました。

お昼ごはんは、花hana食堂で「八重山そば」美味しかった!

今晩の宿は、民宿たましろ。実はこの宿、ただの民宿ではないんです。
「たましろ荘」でググればわかるけど、とにかく「汚い」「ご飯が多い」という評判。

一説によると「日本一汚い民宿」とも言われています。
夜はゴキブリ、ムカデ、ヤモリが部屋を這い回るとか。
半ば好奇心でたましろに泊まることにしました。

ただ汚いだけじゃ人は来ない。なぜ旅人やバックパッカーがこの宿に魅了されるのか。
きっとそこには体験したものにしか分からないものがあるんでしょう!

ってことで数日前に電話で予約をしたんですが、まったく聞き取れない。
うん、まあとりあえず予約できたということで、向かったわけです。

小雨が降っていたので、たましろまで、美波さんに車で送ってもらいました。
着いたのは、ゴミ置き場・・・じゃなくて、民宿たましろ荘。手作り感がすごい。

家主、やもりくん。ちなみにやもり君は一晩で、5匹くらい見ました。

たましろ荘に到着したものの、誰もいないので、とりあえずそのへんを散歩することに。
昨日から泊まっているおじさんと、30歳くらいのお兄さんと話した。
「たましろどうですか?」「ここはねぇ、ディープだよ。笑」そんな感じ。

しばらくして、まさに沖縄を象徴する風貌のおじさんがやってきて、中に案内してくれました。

ここは外のゆんたく場。夜はここで毎晩のように宴会が繰り広げられているらしい。
壁には「メリークリスマス」「賀正」とかいろいろ書いてある。とにかく謎だ。
風でバタバタと音を立てるブルーシートや、無造作に敷かれている電気の配線は、
まるで都内の公園のそばの、路上生活者たちの仮設住宅を彷彿させる。

部屋に案内され、3人の相部屋になった。

確かに全体的に古いのだけど、特に思ったより「汚い」とは思わなかった。
むしろシーツも真っ白で綺麗に洗ってあるし、ハエも虫も、出そうな気配はない。
なんだ、思ったより綺麗じゃないか。
汚いというより、田舎のおじいちゃんの住む古民家に帰ったような、そんな気分になる。

たましろのおじさん。たまになんて言ってるのかよくわからなかったけど、
とても親切で、いい人で、声を聴いているだけですごく癒されました。

「夜ご飯は7時で、朝ごはんは8時です。お風呂とお手洗いはこっち。」

一通り説明をうけて、部屋に落ち着く。なんだかとても懐かしい気分。
どうやら今日は、女性客が5人と、男性客が7名ほど泊まっているみたい。

夜まで時間があったので、買い物や、日本最南端の波照間郵便局から手紙を出してみたり、
そしてやっぱり、今日もニシ浜に泳ぎにいくのでした。

今日は昨日よりも沖合いのほうに泳いでいって、そこで大きな魚や綺麗なサンゴたちと出会えた。
2時間くらい潜ったり泳いだり、サンゴのかけらを集めたりしていたら、
雲行き怪しくなって、しだいに土砂降りに。

自転車で帰れないほどの土砂降り。せっかく南の島に来たのになぁって。
波照間島は日本で唯一、南十字星が観測できる場所で、おそらく日本で一番綺麗に星が見える島。
だから夜、月が沈んだあとに星空観測と撮影をしようと思っていただけに、
この悪天候はちょっぴり残念。でもまた来る動機にもなるし、いいかな。

夕方、雨に濡れながら自転車でたましろにもどってくる。
ご飯の支度をしていた。たましろのご飯はとにかく多いと聞く。
ネットで調べてみても、食べきれなかったっていう人がほとんど。とても楽しみ。

そして出てきたのが、これ。

何これw

野菜増し増し特盛り沖縄そば+大盛りどんぶりご飯+バナナ・パイナップル・刺身・ヨーグルト

噂には聞いてたけど、やっぱり多いね。笑

とりあえずラーメン二郎の食べ方を参考にして、この超特盛り沖縄そばを頂く。
麺が伸びないうちに、とにかく先に麺をたいらげる。すでにお腹いっぱい。
その後にご飯を頂く。なんとか完食。完食できたのは、12人中、俺だけだった。

ご飯を食べながら、ゆんたくが始まる。
外は大嵐。風がビュービュー、雨がザーザー。
ビニールシートがガサガサと揺れながら、カエルがガーガー鳴いている。そんな感じ。

しばらくしておじさんが「じゃあみんなで自己紹介しましょう」って言い始めて、
こんな紙を貼り出してきた。

なるほど。みずから司会を名乗り上げた石垣島のおっちゃんが勝手に挨拶を始める。
それからひとりずつ名前や出身地などを自己紹介していく。

外は大嵐。雨がザーザー、風はビュービュー。ヤモリが壁を這っている。

そしておじさん、「せっかくだからね、みんなで歌でも歌いましょう」

大きな模造紙に書かれた歌詞カードをごっそり持ってきて、
一曲ずつみんなで日本の童謡を歌い始めるw
月に1回くらいやるって噂で聞いてたけど、まさか今日やるとは・・・。

伴奏も楽器もなしに、その日の宿泊者と、おじさんで歌う。
「せっかく来たんだから思い切って大きな声でうたいましょうよ」って。笑

外は嵐です。雨がザーザー入り込んできます。

いったい、いつまで歌い続けるんだろう。
曲が終わったらどんどん新しい歌詞カードが出てきて、、、
「ひな祭り」を歌ったときなんて「めでたいからもう一度歌いましょう」って。笑

だいたいすべての曲を2回ずつ歌いました。

まさか日本最南端の島で「ペーチカ」とか「リンゴのひとりごと」を歌うとは思ってもみなかった。

1時間45分間にわたって、約30曲の日本の童謡を歌いました。
もう20曲目くらいから、みんな疲れ始めて、苦笑いw

でも決して嫌だったわけじゃなくて、楽しかったよ。
この、すごくシュールな夜はやっぱり自分で体験してみないとわかんないね。笑

歌った曲、ざっと覚えてるだけでも

「ここに幸あり」「リンゴのひとりごと」「山のロザリア」「ともしび」「赤い靴」「夜明けのうた」「うれしいひな祭り」「星はなんでも知っている」「村の鍛冶屋」「通りゃんせ」「たなばたさま」「村祭」「七つの子」「小さい秋みつけた」「しれとこ旅情」「山小屋の灯」「浜辺の歌」「海」「われは海の子」「ペーチカ」「喜びも悲しみも幾歳月」「上を向いて歩こう」などなど。

「上を向いて歩こう」で締めたのは、おじさんなりの考えがあったのかもしれない。

おじさんすごく幸せそうに歌ってた!

歌い終わったあとは「ゆんたくタイム」
みなさん、泡波がすすむ夜なのでした。

そういえばそうそう、泡波というのは伝説の焼酎と言われていてで、
日本最南端のこの波照間島でしか作られていない貴重なシロモノ。
製造してるのが限られてるから、しまでも入手が困難。
ネットで買うと一升瓶で1万円とか2万円するの!
さっき調べたら二升半の瓶で4万6000円だった。ひょえーー。
俺はたまたま売店で売っててミニボトル320円でゲットしたけどね。
島では安いんです。持ち出し規制があるくらい。

それがこの「たましろ」では、飲み放題w 豪快に振舞われますw
一説によると、泡波が価格高騰してる理由は、
たましろが買い占めているからだそう・・・。
たしかに外には泡盛の一升瓶の空き瓶が大量に転がっていました。
なるほど。需要と供給ってだいじだね。

まあ島には、そういう楽しみもあるのです。
残念ながら僕は焼酎は飲まないんですけどね。

旅人の一期一会、すごくいいね。

23時には就寝。嵐の中、眠りに落ちる。
ゴキブリとかはぜんぜん出なかったです。よかったよかった!

おもしろくて、愉快で、シュールで、少し古かったけど、快適な宿でした。

そして朝ごはん。相変わらず多い(笑)さすがに食べきれなかった。

翌朝も嵐はつづいていた。大雨で、すごい風。

「台風でもなんでもないのにですね〜」と、おじさん。

みんなで朝ごはんを食べながら、テレビで天気予報をチェックする。
波の高さ2.5メートル。船は午後の2便が欠航。
俺、今日中に帰れるかな? そんな心配をしながら、波照間島3日目の朝を迎えたのでした。

続く。

沖縄、波照間島に行ってきた(1日目)
・沖縄、波照間島に行ってきた(2日目)
沖縄、波照間島に行ってきた(3日目・最終日)

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